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2024/12/18
深澤 のぞみ
金沢大学名誉教授
一般社団法人日本語まなびサポート 北陸代表理事
国際関係学科/1982年
2024/12/18 時点
プロフィール
1982年国際関係学科卒業。結婚後のロンドン滞在を経て、1988年に第1回日本語教育能力検定試験合格。1991年からは、国立国語研究所の日本語教育長期専門研修で専門的に日本語教育を学び、夫の転勤に伴い移り住んだ金沢で、大学の留学生に日本語を教えながら1999年に金沢大学で博士号を取得。その後、富山大学留学生センター、金沢大学国際学類で約23年間日本語教育に携わり、早期定年退職をして、2023年に一般社団法人日本語まなびサポート北陸を設立。外国人児童生徒への教科学習支援、日本語教師へのリスキリングなどの事業を行っている。著書は『日本語を教えるための教材研究入門』(くろしお出版)など。2019年日本語教育学会活動貢献賞受賞。
メッセージ
1982年に国際関係学科を卒業後、1984年夫の海外勤務に伴い渡ったロンドンで、日本への留学を控えた香港人の学生に日本語の発音を教えてほしいと言われたことがきっかけとなり、日本語教育に深く関わることになりました。当時は、今のようにインターネットなどで簡単に日本語を聞いたり話したりできる時代ではなく、日本に来日する留学生に対する支援も十分ではありませんでした。ロンドンから帰国して、専門学校で日本語の教え方を学び、近所の留学生寮に住む留学生たちに日本語を教えるようになりました。その後、金沢に移り住み、金沢大学で博士号を取得して、大学教員として長く留学生への日本語教育や日本人学生を対象とした日本語教師養成の仕事を続けました。
津田塾大学で学んだことと日本語教師の仕事と、それほど直接的な深い関係があるとは最初は思っていませんでした。私は英語の教員免許を取るための勉強もしたので、言語教育に関する知識は日本語教育にも役立ちました。しかしそれ以外に、地域での外国人移住者のための日本語教室や、外国の子どもたちのための教科学習支援活動に関わるようになってからは、実は国際関係学科で何十年も前に学んだ国と国との関係や紛争のこと、イスラム圏の宗教や文化、ヨーロッパの移民受け入れや社会的マイノリティなどのことが、日本語教育の仕事や研究に強くつながっていることに気づくことが多くなりました。津田塾大学での幅広く先進的な学びが、今の自分の活動をしっかり支えていてくれたんだと、卒業後ずっと経ってから改めて噛みしめています。
定年退職後は、これまで長く一緒に研究や支援活動を続けてきた仲間たちと共に、一般社団法人日本語まなびサポート北陸(愛称:まなサポ)という法人を立ち上げました。まなサポでは外国につながる子どもたちの日本語や教科の学習支援活動や、日本語教師のリスキリングやネットワーキング事業に力を入れています。日本語教師の資格は2024年から国家資格「登録日本語教員」となりました。少子高齢化が進む日本では、外国人住民は共に日本社会を作っていく存在です。それゆえ、日本語教育はもはや社会の重要なインフラの一つであるとも言えるのです。私も微力ながら、これからも日本語教育を通して社会に貢献し続けたいと思っていますし、若い皆様方にぜひご一緒に活動していただきたいと願っています。
WEBサイト:https://nihongomanasapo.wixsite.com/manasapo