2020/09/01

(株)セブン&アイ ホールディングス
執行役員 経営推進本部サスティナビリティ推進部シニアオフィサー

国際関係学科/1981年

2020/04/29 時点

プロフィール

国際関係学科1981年卒業。
教員を目指しつつも、人と関わりたいと思い、当時女性就職ランキングNO.1企業(株)西武百貨店入社(現(株)そごう・西武)。池袋本店婦人雑貨部配属、接客業の楽しさは正に天職と感じ、この企業を選んでよかったと今も感じている。販売促進部等を経た後、営業部門へ。大津店店長。執行役員を拝命し、本部顧客サービス部長、池袋本店副店長、所沢店店長、東戸塚店店長、本部文化プロモーション部長。2019年3月より(株)セブン&アイ・ホールディングスへ。サステナビリティ推進部立ち上げと共に着任。2019年5月に発表したグループ環境宣言「GREEN CHALLEGE 2050」の達成に向け活動を推進中。SDGSへのグループ全体での理解と、総合小売業としてお客様を巻き込んだ活動を推進することで、より良い社会づくりに貢献したい。


メッセージ

卒業して、四半世紀を超えてしまったことに愕然としながらも、学んだことで今に生きていることの多さに、津田塾の誇りを感じています。今回は限られた文字数の中で2つを挙げたいと思います。

1つ目に、性を超えて、人間として考えることです。
入学式で中島文雄学長が、「あなたたちは女子大に入ったのではないです。津田塾大学であって、津田塾女子大ではありません。ひとりの人間として責任のある存在として生きていくことが大切なのです。」とおっしゃったことは、女子大の華やかさを楽しみにしていた私にとって衝撃でした。公立高校では男性のアシスタントだった私が、自分で考え、行動する、始めの1歩になりました。共学で楽な生活をしていたので、女子のみで考え、着地まで持っていく事の難しさを痛感しました。しっかりした友人たちに学んだことも多かったです。そして、この効果は、就職活動に表れました。面接官の方々に、女子大卒は自分の意見をしっかり持っているし、周囲をまとめる力も感じると評価頂きました。

2つ目は、深く考えることです。
1年からゼミがあったことで、自分の考えを絶えず意識をしながら、周囲の意見をよく聴いたことを思い出します。ただでさえ慣れない外書を読みながら、ついていくのが必死でした。でも、私にない考えの同級生の発言に、目を開かせられたことも多く、とても刺激的な時間でした。社会人学生の方が一緒に学ばれていたこともあり、少しずつ大人になっていくのを感じました。正直、学んだ内容ははっきりと覚えていません。ただし、考えるプロセスを学べたことは今も財産です。蛇足ですが、ゼミの教室が、今は使われていない、学校の正面の一番上のお部屋で、遅れて急ぐ自分の足音がカンカン響いたのが今も耳に残ります。
津田塾での4年間は、追われるように勉強をした日々でした。入学まで一生懸命に勉強をした思いの無かった私にとっては、宿題に追われ、授業に追われ、卒業まで走りぬいた思い出が大半です。でも、思い返すと、顔の見える少数での教育は、個性を重んじ、一人ひとりを大切にしてもらえた時間でした。卒業後1年経って、パリに遊びに行った時に、劣等生だった私が空港でのフランス語のアナウンスを理解できた時に、津田塾の語学の強さを感じました。ちなみに、フランス語は第2外国語でした。

卒業後は小売業に勤め、今に至ります。小売りの最前線は、マーケティングの日々。お客様と話しながら、今の世の中を考える。津田塾で学んだ、考えること、人を大切にすることを基本に、仕事に向き合っています。いろいろなポジションに就きましたが、根っこは同じです。どうあるべきかを深く考え、人間としてどうするべきかをしなやかに考え、前に向いていく。シンプルに考えることを大切に、毎日を過ごしています。
今年の津田塾の梅や、桜はどうだったのでしょうか? 花の舞う校庭で、友人と語った時間はとても素敵でした。この素敵な時間を過ごせた幸せを大切につないで頂ければと願っています。

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