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2020/05/07
田辺 由美
ワインアンドワインカルチャー株式会社
代表取締役社長
数学科/1975年
2019/10/31 時点
プロフィール
数学科1975年卒業。北海道池田町出身。結婚後アメリカ合衆国ニューヨーク州コーネル大学ホテル学部にてワインコースを聴講したことがきっかけとなりワインの専門家となる。1992年にワインスクールを立上げソムリエの養成を行う。2014年に女性の視点からワインを審査するワインアワードを立ち上げた。ワイン造りの体験を綴った『~十勝の宝石~由美ちゃんワイン造るの?』(飛鳥出版) 、 他ワイン関係の著書がある 。
http://www.sakuraaward.com/
メッセージ
入試の小論文は「これからの女性の在り方」のような課題であったことを覚えています。津田塾では先生はもちろんのこと、クラブ活動や白梅寮の先輩から、「働く女性の立場」「女性はどのように社会貢献ができるか」を学びました。結婚後は離職するのが当たり前だった時代に、「ビジネスウーマン」の価値観が大学生活の中で自然に身についたのでしょう。仕事や会社でのポジションではなく、どのような立場にあっても、仕事に従事することによって「世界観」が広がり、「社会貢献」へとつながっていることを4年間の大学生活で学んだことは、私の人生をとても豊かにしてくれました。
「数学を学んで何に役に立つのか?」とよく言われましたが、小学生の頃から数学(算数)が大好きで、1年生から数学を学べる津田塾を選びました。微分方程式・位相幾何学の福原満州雄博士が津田で「寺小屋ゼミ」をスタートさせ、4年間ゼミを行ってくださったことはとても印象に残っています。この時に先生からは数学だけでなく、人生の喜び、学ぶ喜びを教えてもらいました。コンピューターが会社でも使われるようになり始めた時代でしたので、数学科の卒業生には、コンピューター会社、大手企業の電算部から就職依頼が多く来ていました。
父の影響もあり、数学からワインの世界へと舞台は変わりましたが、「女性の活躍」と「学ぶ喜び」は私の人生の財産となっています。1992年にワインスクールを始め、ワインのテキストを毎年改訂出版し、ワイン文化を広めています。また、津田梅子先生の教えである「女性の活躍」の場を酒類業界においてどのように実行しようかと数年考え、60歳になった時に、業界の女性によるワイン・コンペティションを始めました。女性が一丸となって、業界を盛り上げることは「女性の社会貢献」につながると確信しています。最近見て感動した映画は1960年代、まだコンピューターが無かったころにNASAで宇宙船の打ち上げの縁の下で活躍した3名の黒人女性とその仲間を描いた「DREAM」です。数学者の素晴らしさ、そして女性の社会貢献の魂を感じ取りました。