佐々並　由貴

「固定観念にとらわれない視点」。これこそが、津田塾大学での学びを通して得られた、私のかけがえのない財産です。

中高6年間女子高に通っていたこともあり、「大学では共学に通ってみたい」と思っていました。実際に、入学後はベトナムへボランティア、フィリピンへ語学留学、アメリカ・インディアナ州にある協定校へ学部留学。社会人になった今となっては、そう簡単にはできない貴重な経験の数々を津田塾大学のおかげでできたと思っています。(共学には通えませんでしたが、この大学でよかったです。)

当時海外へ行く度思い知らされたのは、自分の価値観や考えがスタンダードではないということです。最初から自身の尺度で物事を決めつけるのではなく、自分と異なる視座の存在への想像力と傾聴する姿勢を持つことの大切さは、在学時に身をもって学ぶことが出来ました。特にアメリカ留学中、さまざまな人種の方との寮生活や、授業で一緒に学んだ経験は、私にとっては良い意味でショッキングなものだったと思います。自身がいざマイノリティになってみないと分からない固定観念が、世の中にも自分自身の中にも存在していることを痛烈に知りました。

現在、学生時代に培った広い視点で物事を捉えることを生かしたい、と思いながら日々仕事で奮闘しています。会社では新規事業担当となったため、既存事業のやり方や日本でのやり方にとらわれすぎないことを試される環境下にあります。何事も一方的な見方をせず、消費者に寄り添うモノづくりを常に目指しています。学生時代に出会った海外の友人とは今でも交流を続けており、2019年に担当した新ブランドでは、ブランディングにあたってアメリカ、中国、韓国の友人たちの話を参考にさせてもらいました。

津田塾大学では自分の未来につながる貴重な学びが得られると思います。少なくとも私は、今につながる財産を手に入れられました。これからも自分で自分を決めつけすぎず、周りもこうだと決めつけすぎず、柔軟に日々前進していければと思っています。