2020/05/07

元 国際基督教大学高等学校
専任教諭

国際関係学科/2006年

2020/04/20 時点

プロフィール

国際関係学科2006年3月卒業。開発学を専攻し、ネパール、タイ、ベトナムでのワークキャンプやボランティア活動に参加。世界各地で「本当の豊かさとは何か」を考えた。大学4年次に1年間、アメリカの大学に交換留学し、日本語チューターをしながら、政治学や音楽を学ぶ。津田塾大学在学中、企画広報課のインターンとして、オープンキャンパスの補助も経験。
卒業後、私立高校に英語科の専任教員として14年間勤務。学級担任、教科主任、部長職などを務める。全校生徒の約70%が帰国生徒という学校で、海外生活が15年という母語レベルの語学力を持つ生徒から、国内出身の生徒までの授業を担当。最近では、他大学にて臨床発達心理学を学び、二つ目の学位を取得。


メッセージ

中学時代から、語学に対する熱意と関心が強く、元々志望していた音楽大学と悩みましたが、津田塾に進学。英語の教職課程と日本語教員課程を修了しました。在学中に国際関係を学んだことで、むしろ国内の格差等の社会問題も考えるきっかけになり、「灯台下暗し」を実感。卒業後は、高校の教員として、授業をはじめ、部活動や校務分掌、海外研修の引率なども担う多忙な業務の中、生徒との関わりを何よりも大切にして働いてきました。教科指導だけでなく、生徒の生活指導や心のケアも重要な仕事です。特に、個人面談や進路相談で、カウンセリングの重要性を実感し、発達心理学を学びたいと思うようになりました。

産休・育休中は、育児や家事に追われる日々を過ごし、業務とは違う大変さを体感しました。学生時代も就職後も、国際理解について考える状況下にありましたが、究極の異文化体験がここにあったと感じました。子育ては、未知の領域でした。それまでの法則や経験がほぼ当てはまらない乳児と過ごす時間は、思い通りにいくものではなく、地域の方々にたくさん助けて頂き、「子どもは社会全体で育てるもの」という言葉に救われました。

実は、当初津田塾以外にも、志望していた大学があり、大学2年次に編入学試験を受けました。転学も一時考えましたが、最終的には津田塾に残ることを決めました。それ以降、引っかかっていたものが吹っ切れて、心置きなく、人一倍充実した大学生活を過ごすことができました。さらに、津田塾への愛着心は、卒業後により一層増したと思います。キャンパスへ行ったり、大学時代の仲間に会ったりする度に、初心に返り、刺激を受け、前向きな気持ちになります。卒業後に、津田塾のネットワークと偉大さを実感しています。

迷った時は、「“Stay true to yourself”—信念や本心に素直に、代わりのいない自分自身を大切に」という言葉を大事にしています。選んだ道こそが全て正解です。まずやってみて、その後どうしても違和感があれば、その時に方向転換すればいいと思います。力を発揮できる場所が、必ずあります。興味関心は、変化していくものです。学ぶ機会は、人生のどこでも身近に溢れています。30代で心理学を学び、改めて勉強の楽しさを実感できたのも、津田塾での学びが根本にあったからです。学び得たことを、今後の私自身、教育現場、そして社会全体に役立てたいです。学びは一生続きます。教育を受けられる環境と機会に感謝し、一人ひとりの才能や知識を、世のため人のために役立てて下さい。

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