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2022/08/15
板津 木綿子
東京大学大学院 情報学環・学際情報学府
教授
英文学科/1996年
2022/08/15 時点
プロフィール
英文学科1996年3月卒業。津田塾大学文学研究科で修士課程を修了後、2000年にフルブライト奨学生として南カリフォルニア大学大学院に留学し、博士号(歴史学)を取得。2008年より東京大学にて研究教育に従事。特任講師、特任准教授を経て、2012年より同大学総合文化研究科准教授。アメリカ史や日米関係を中心に、レジャーやポピュラーカルチャーに関する歴史社会学的研究を行っている。著書に「レジャーに隠されたミステリー」『高校生のための東大授業ライブ』(東大出版会)、編著『食と移動の文化史:主体性・空間・表象をめぐる争い』(彩流社)など。
メッセージ
私は津田塾で3つのかけがえのない宝物を得ました。
まずは、人と話すことが苦手だった引っ込み思案の私が、殻を破って人との付き合い方を学んだこと。数々の素晴らしい友と出会い、何百時間も語り合いました。住んでいた白梅寮でみんなが寝静まったあと、親友の先輩や同級生とランドリールームや食堂で人生の夢やらなにやら、一生懸命、言葉を探しながら話ました。その時に考えたことが私の人格形成において、大事な礎になっていると思います。
二番目の宝物は、ロールモデルにしたい人たちに山ほど会えたこと。素晴らしい先生方から厳しくもあたたかい指導を受け、私も大学教員になりたいと思うようになりました。また、熱意と信念を持って地道に目標に向かってひた走る先輩・同輩・後輩からビリビリ刺激を受けました。
最後の宝物は、試練に打ち克つ忍耐力を養うことができたこと。好きなことを学ぶ楽しさを満喫しましたが、ずっとバラ色であるはずはなく、何度も壁にもぶちあたりました。協定校のブリンマー大学に行けることになった時は、とてもうれしく、鼻高々で出かけたのですが、建築史の授業の最初の試験でいきなり落第点。完全にノックアウトされたことがあまりにショックで恥ずかしくて、だれにも相談できませんでした。ブリンマーにいた10か月は、勉強面でも自我形成においてもかなりシンドイ思いをしましたが、それが耐性の基礎力になり、大学院で留学した時にとても生きました。
津田塾で鍛えてもらえた人間力、知力、忍耐力があってこそ、今もチャレンジ精神を持って仕事に取り組むことができているのだと思っています。