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2021/07/12

長野県池田町議会
町議会議員

国際関係学科/1991年

2021/06/21 時点

プロフィール

1991年に大学卒業後、環境NGOでの仕事がきっかけとなって、化学物質が環境や人体に及ぼす影響について関心を持つようになる。イギリスのケント大学で環境法を学び、化学物質の規制法の研究で、博士号を取得。帰国後は、新規化学物質の海外申請コンサルタントとして、東京で数年勤務したのち、安全な食と持続可能なライフスタイルを求めて、北アルプスの眺望の素晴らしい長野県池田町へ移住。2019年4月に町議会議員に。翻訳の仕事も手掛け、書籍になったのは『遺伝子組み換え企業の脅威—モンサント・ファイル』日本消費者連盟訳、緑風出版社。


メッセージ

子どものころから自然が好きで、「戦争は最大の環境破壊」であることを知り、平和について考えたくて、津田塾大で国際関係を学ぼうと思いました。大学卒業後は、いろいろな環境保護団体で働きました。仕事を通して、多国籍企業が自社の利益のために、住民の人権や生活をないがしろにするケースをたくさん見聞きしたことから、人も環境も搾取しない社会はどうやったら実現できるのか考え、行動する。それを繰り返してきた気がします。安全な食にも興味があり、「虫も草も敵としない。畑に何も持ち込まない」自然農法で、無農薬無施肥で自給用の野菜を作りたくて、今住んでいる池田町に2015年に移住しました。農作業というのはとても地道な作業の連続ですが、戦争のために開発された技術が農業に利用されている(例えば農薬や化学肥料)ことを知り、そういうものに頼らない地味な日々の作業が平和な世界につながるのだと、日々、土やそこに住む微生物に感謝をしながら農作業を楽しんでいます。現在は池田町で町議会議員として、オーガニックタウン実現を目指して活動しています。私が目指すオーガニックタウンは有機農業が盛んであるだけでなく、人体や環境に悪影響を及ぼす化学物質を極力使用しない町です。

津田塾では社会的弱者の視点で世界を見ることを学べたことで、社会を見る目を鍛えることができました。私が手にする食品一つをとっても、その裏にある搾取や環境問題に思いを馳せられるようになったのは、津田塾での学びがあったからこそです。

現代人の食は高度に工業製品化されています。若いうちから、工業製品ではなく、いのちのある食材を選ぶ知識を身に着けること、それらを与えてくれる自然の恵みや生産者に感謝する心を育てるのは人生で一番大切なことだと思います。農薬の問題や食品添加物だけでなく、現代の食は遺伝子組み換えやゲノム編集など問題だらけですが、そのような食品が自分の健康や環境にどのような影響を及ぼすのか、批判的に考える習慣をつけることができたら、それは一生の宝になると思います。何よりも生産者の顔が見えるおいしい食品をなるべく食べて、健康で幸せな人生を送っていただきたいです。

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