2020/05/07

竹内工業株式会社 国際部

国際関係学科/2004年

2019/10/30 時点

プロフィール

2004年国際関係学科部卒業。製造業の会社に総合職として3年間勤務。メーカーの製品立ち上げを、自社の工場側よりサポートする開発部に所属。結婚を機に転職し、現在は部品メーカーにて中国・東南アジアの支店・顧客と主に英語でやりとりを行い、出荷に関わる貿易事務に従事している。
2010年に長男を出産し、今は4人の子どもを育てる兼業主婦。


メッセージ

私の「自分軸」が培われたのは、津田塾大学での4年間だったのだろう。最近、ふとそう思うことがあります。

国際関係学と聞いて、政治・歴史・地理・宗教などを思い描いていた私でしたが、入学後に夢中になったのは、文化人類学や比較文化論など、自分の身近に感じられる学問でした。遠く離れた地でも、自分と同じように日々の暮らしをつむぎ、文化を育む人々がいることを知り、世界中の出来事が一気に自分に引き寄せられました。講義の中で「他者は自分の合わせ鏡である」と教わった通り、他について学ぶことは、自分についての考察を深めることでもありました。

周りの友人たちも皆とても個性的でした。スウェーデンが大好きな人、ハプスブルク家について熱く語る人、すでに自分軸をしっかり持った友人に刺激をもらいながら、ふわふわとしていた自分の中に少しずつ根っこが出来ていったのだと思います。

4年生のゼミの時に、進路に関して話す機会がありました。就職を控えている年にも関わらず、明確なビジョンを持てなかった私は、理想の暮らしについて言及するのが精一杯でした。恥ずかしさで気後れする私を、先生はさらりと前向きに受け止めて下さいました。「あらそう、いいじゃない」と。その時に、ふっと肩の力が抜けて、「これで良いんだ」と思えたのです。

自分を取り巻く様々な事情とそれに相対する自分、それぞれを見つめ、出た答えならば、どんな答えでも正解なのです。

今、私は4人の子どもを育てています。息つく暇も無いような毎日ではありますが、子どもたちとの生活は、驚き、喜び、葛藤と愛に満ちており、なんて豊かなんだろうと感じています。長男が生まれて9年、育児に専念しようかと迷ったこともありますが、働き続けることを選びました。それぞれの実家が遠方のためサポートも無い中で、働きながら子どもを育てていると、無力感で全てを投げ出したくなることもあります。そんな時は、「私は今、社会を変えているんだ」と自分を鼓舞しています。共働きが増えたとは言え、まだまだ課題は山積みです。育児だけではなく、介護や自身の病気など様々な事情を抱えている人たちが、困難を抱えることなく自分のペースで働ける、そんな理想の社会に向けて、小さなひと押しを続けていきたいと思っています。

もっと読む