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2025/06/23
西山 京子
鍼灸師 / ボランティア団体タッチケアの会代表
英文学科/1968年
2025/06/23 時点
プロフィール
香川県高松市出身。1968年津田塾大学を卒業後、しばらく一般企業に勤めた後、家庭の事情で津田塾大学事務局に転職。以後総務課、学生生活課、企画広報課で約30年間(途中3年間休職)勤務。2003年早稲田医療専門学校東洋医療鍼灸学科に入学、3年後鍼灸師の資格をとり鍼灸院を開院。2010年ボランティア団体タッチケアの会を立ち上げ活動を始める。
メッセージ
卒業後一般企業に4年ほど勤め、家庭の事情で津田塾大学に事務職員として転職する。
当時、総務課は外部から津田梅子についての問い合わせが多く、そのため先生についての資料を読み、備えた。すると、先生のどこまでも自分の夢をあきらめず努力する強さや、女性の自立を願い、生涯をささげていく深い愛情に、強く心を打たれた。このことをきっかけに仕事に対する意識が変わったように思う。なんのためにここで働くのか目的がはっきりした。私は津田先生に協力しようと思った。まず総務課の訪問者、問合せ者すべて津田塾のファンになってくれるよう誠実に対応した。仕事は楽しくなりやりがいがあった。確かにファンも増えた!
学生生活課では、学生が津田に来てよかった、相談に来てよかった、と思える場にすればよい。就職相談と留学相談の充実が特に望まれていると感じ、個人面談を丁寧にし、ニーズにこたえた企画を数多くたてた。このころ、リクルート社が全国の大学の就職指導に対する学生満足度を発表していたが、津田塾の一位が続いた。
58歳になるころ東洋医学に興味を持ち、鍼灸の専門学校に入った。卒業後友人宅の空室を借り10年ほど鍼灸院を開いた。紆余曲折だったが、なかなか得られない貴重な経験だった。
ある時スウェーデン発のソフトマッサージ(タクティール・ケア)のことを知った。手だけでやさしく肌にふれていくと、オキシトシンというホルモンが分泌され、こころもからだもリラックスして幸せな気分になるという。お年寄りにとてもいいと思いさっそく習いに行った。高齢者施設で実習をしたら、とても喜ばれ、感謝でなみだを流す方もおられた。
是非多くのかたにお教えしたいと思い、鍼灸の知識をプラスして「タッチケアの会」を立ち上げた。学んだ人たちは多くが高齢者施設へボランティアにいったが、年老いた親をタッチケアで支える人、終末期の方をタッチケアで見送る人、また教える人等となった。タッチケアを受けた方は、みなさんお顔が緩み笑顔になる。この小さな幸せを広げていけば人間関係はやさしくなり、生きやすくなるのではないか、と期待している。