2020/05/07

JICA(国際協力機構)緒方貞子平和開発研究所
所長 兼務 政策研究大学院大学( GRIPS )客員教授

国際関係学科/1981年

2020/04/13 時点

プロフィール

国際開発政策や国際協力を専門とする研究者。
国際協力事業団(現在のJICA)、世界銀行(ワシントンDC)、海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、政策研究大学院大学(GRIPS)教授を経て、2018年10月よりJICA緒方研究所所長(GRIPS客員教授を兼ねる)。米国プリンストン大学ウッドロウ・ウイルソン・スクール修士(MPA)。近著に『町工場からアジアのグローバル企業へ』(編著、中央経済社、2015年)、Eastern and Western Ideas for African Growth (共編著、Routledge、2013年)、『BOPビジネス入門』(共著)(中央経済社、2011年)など。


メッセージ

津田塾大学を卒業後、日本の援助機関、国際機関、大学など、さまざまな職場を経験しましたが、ずっと開発途上国の国造りを支援する国際協力の仕事を続けています。JICAに最初に就職した時は、途上国の産業開発協力や研修事業、その後、世界銀行やJBICでは中南米地域への開発協力に携わりました。大学(GRIPS)では留学生に国際開発政策の講義をしていました。今、JICA緒方研究所では、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた提言や、日本の産業発展や開発協力の経験をまとめる研究をしています。

私が途上国について関心をもつようになったきっかけは、まさに津田塾時代の二つの経験にあります。ひとつは、今は亡き片倉もとこ先生のゼミで、先生が中東の女性遊牧民(べドウィン)の生活を生き生きと語るのにひき込まれ、キャリアウーマンとしての生き方に憧れるようになったこと。もうひとつは、人生最初の海外旅行(大学3年の夏休み)で、アラスカのエスキモー・コミュニティに行ったことです。はじめは普通にニューヨーク、ロンドン、パリなどへの旅行を考えていたのですが、部活(ESS)の先輩から、欧米はいつでも行けるのでこの機会にしかない経験をすべきと、アメリカのNPOが企画した国際交流プログラムを薦められ、友人と一緒に参加したのです。このプログラムは世界中から参加者を募り、当時、油田開発が進み大変容を遂げつつあったエスキモーの人びとの暮らしをNPOや大学などでのボランティア活動を通じて体験するものでした。バローという北極海に面した町の教会に滞在し、いろいろな国の人たちと寝袋で泊まったことを覚えています。急速な近代化が進む中で社会問題が顕在化していた時代。私は家庭内暴力で苦しむ女性たちを支援するシェルターを運営しているNPOで働きました。こうした原体験から国際開発に関心をもつようになり、今の仕事にいたっています。

その後、私は異なる職場で働きましたが、国際協力をさまざまな視点から考える機会となり、また多くの人たちと出会い、ネットワークも広がったと思います。新しいことに一歩踏みこむ時は不安でいっぱいですし、失敗したことは何度もあります。でも失敗を含め、「無駄な経験はない」というのが私の実感です。どんな経験でも必ず糧となり、その後の人生に役に立ちます。ぜひ、やりたいことに向かってチャレンジしてください。

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