2020/05/07

社団法人能楽協会
観世流能楽師

英文学科/1964 年

2019/10/29 時点

プロフィール

中学時代に国語の先生に勧められ、初めて能を見る。クラブ活動「謡曲仕舞部」にて、故観世寿夫に仕舞を習う。津田塾大学在学中に能楽研究会に所属し、「女流能楽師の草分け」といわれる津村紀三子に師事、プロの能楽師を目指す。結婚・育児で一時、能の世界を離れるが、平成元年に観世流能楽師師範の資格を得る。緑泉会(主宰津村礼次郎)の定例会にて、能のシテ・ツレ・仕舞等の公演活動をし、海外公演にも参加。現在の資格は観世流能楽師準職分。日本大学大学院文化情報科にて修士号取得。東京・大塚、宇都宮、小山にて謡曲・仕舞教室を開設。能楽講座やワークショップを行い、能の普及に努める。


メッセージ

「出会い」という言葉が好きです。中学時代、国語の先生に能楽堂に連れて行かれ、初めて能を鑑賞。睡魔に襲われながら、夢うつつの中に美しい装束と冠を付けた姿が印象に残りました。後に名人と言われた、観世寿夫先生の「楊貴妃」という能でした。先生との出会いが本物の能との出会いでした。津田塾大学入学後は「能楽研究会」に入部し、能の世界に入り込んでいきました。これは、「女流能楽師の草分け」と言われる津村紀三子先生との出会いによるものでした。女流能楽師のプロは許されていない時代でしたが、津村先生は苦労を重ね、昭和25年観世流にプロ女流能楽師が許された5名の内のお一人でした。その小さな体からほとばしる情熱に打たれて、私も能楽師を目指しました。

津田塾大学在学中の英文学の授業は苦痛で、早く稽古に行きたいなどと不謹慎にも思っておりました。シェイクスピアの作品、エリオットやキーツの詩を、後に翻訳能として演ずることになるとは夢にも思っておりませんでした。「トマス・ベケット(寺院の殺人)」「オセロ」「ハムレット」、イプセン作「人形の家」等々を能の作品とし、国内外の公演に参加する機会がありました。

日本大学大学院では、特に「古典能の物狂い」及び「シェイクスピアの悲劇」について研究し、「能シェイクスピア研究会」にも所属し、英語能に参加しました。在学中、大山敏子先生、小田島雄志先生、内田道子先生の素晴らしい授業を疎かに聴いていたことが悔やまれますが、人生の要所で素晴らしい出会いを頂きました。その時は気づかず通り過ぎてしまっても、のちに大切なポイントになっていたと感じます。世界文化遺産に指定された能を、これからも日本及び世界に広めて行きたいと思っております。

もっと読む