2020/05/28

株式会社宝島社
マルチメディア編集局第二部部長兼第5編集部編集長

英文学科/1993年

2019/10/25 時点

プロフィール

英文学科1993年3月卒業。(株)三陽商会 広報宣伝部に4年勤めた後、1997年6月から(株)宝島社に転職。spring編集部からCUTiE編集部に異動になり、2000年12月より編集長に就任。その後、結婚・出産を経て2008年に復帰。ブランドブックや書籍など、数多くの企画を担当し、現職(マルチメディア編集局 第二部部長)に至る。担当企画:書籍『ROLA’s CLOSET』、えほん『ひつじのショーンをさがせ』、ブランドブック『STARBUCKS』『SNIDEL』『AHKAH』『KBF』等々。


メッセージ

私が働く出版社「宝島社」は女性ファッション誌が多いこともあり、社員の半数以上が女性です。そのため一般的な会社よりも働きやすい環境と言えるかもしれません。それでも妊娠、子育てをしながら仕事を続けることは、当時まだ難しい面もありました。

雑誌『CUTiE』編集長として、ライバル誌と人気モデルを奪い合ったり、部数の浮き沈みに責任を問われたりしながらも、縮小傾向にあるティーン誌市場でなんとか売り上げを守っていた30代前半を経て、妊娠と同時に結婚することになりました。私は出産ギリギリまで働いて、また同じポジションに戻りたかったのですが、責任ある職でありながら無計画だという理由で降格となってしまい、出産後は広告営業部に配属となりました。

本を作ることが大好きで、編集という仕事が天職だと思っていた私にとって、この異動は大変ショックでした。約2年広告営業を経験した後、また編集の仕事に戻ることができ、現在は付録つきのブランドブック編集局で部長職に就いています。

振り返ってみると、辛い記憶だった広告営業での経験が、他の人にはない私の強みとなり、現在のブランドブック制作において、ベストセラーを多く輩出することにつながっているように思います。意に沿わぬ仕事でも、腐らず懸命に積み上げてきたことは必ず自分の糧になる。そのことを図らずも自分自身で証明した経験が、私をさらに強く成長させてくれました。編集者としてもママとしても、自分に与えられた責務に正面から向かい合うことができたのは、そのような経験があったからこそ、と考えています。

「変革を担う、女性であること。」
津田塾大学で学んだことは生き方そのものだったのかもしれません。「変革」という言葉には熱意や勢いというイメージがありますが、私の場合は、何かを変えようと大それたことを考えていたわけではありません。長い時間をかけて積み上げてきたことが、後々「変革」につながり、誰かの役に立っている。そう考えると、すべての経験が自分を成長させるための課題だったように思います。

これから社会へ出るみなさんが、それぞれの道で「変革を担う女性」となってくれることが楽しみです。願わくば、「女性」であることを意識せず、人として活躍できる社会となっていってほしいですね。

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