2020/05/07

大日本印刷株式会社

英文学科/2005年

2020/01/17 時点

プロフィール

愛媛県西条市出身。大日本印刷株式会社(DNP)に15年間勤務。機能性を求められるICカードやホログラムのようなセキュリティ印刷物の営業・企画・プロジェクトマネージメントを行う。2019年時短勤務をやめて、マミートラック※から抜け出せるよう、あがきながら海外得意先を担当する。配偶者の都合で茨城県取手市から東京・市ヶ谷まで通勤し、ワンオペで8歳、5歳の男女の子供を育てる。2回キャリアが止まっているため昇給も同期より遅れ、いつになったら管理職になれるのだろう、と時々考える。肩書もキラキラした華麗な経歴も無い平凡な卒業生の姿が私である。そろそろ奨学金(育英会)の返済が終わる予定。
※子育てをしながら働く女性が直面するキャリアコースを指す。子育てと仕事の両立をする中で、昇格や昇給が困難になるなど。


メッセージ

英文学や英語圏の映画や音楽は好きでしたが、英語は特別得意ではありませんでした。英語によるコミュニケーションは津田塾に入ってから初めて勉強したレベルです。経済的な理由から留学もしていません。社会に出て、時々英語を使う機会はあっても、英語でビジネスの交渉ができるレベルでは到底ない、とずっと自粛状態でした。しかし、2年前、海外向けビジネス部門に異動になりました。いきなりインド、オーストラリア、シンガポール、イギリス、アメリカと毎日のように電話会議をすることになり、自分の出来なさにクラクラしましたが、「腐っても津田卒!」と自分に言い聞かせて踏ん張り、何とかなってきました。その一方で、留学はやっぱりしておきたかったと、20年前に封印した思いがまた出てくるようになりました。多くの女性は結婚、出産、育児、介護とライフイベントに振り回され、自分一人の予定で動けなくなるので、留学の目標がある人は高校・大学時代に達成するのがコスパも良いです。私ももう少し子どもが成長すれば、1か月単位であっても留学できるはず!と諦めていません。

現在、得意先が日本にいないので、パソコンと電話さえあれば家からでも仕事ができます。家事育児との両立もしやすく、入社以来、今が一番働きやすい状態です。学生時代はメーカーの営業職は体育会系のノリでノルマが厳しく、接待もあり、自社製品に問題が発生すると自分が設計した製品でもないのに矢面に立って謝罪をしなければならない、損な役回りだと思っていました。実際は、色々な顧客と仕事をすることが面白い。業務の一環で一般人が絶対に入れない場所へ入ることができたり、有名企業の本社へ行ったり、自分のアイデアが製品やサービスになり、顧客のビジネスが成功し、微力でも社会の役に立つことができたりするのは嬉しいことです。若い頃は無理して男性社会に合わせましたが、今はできる範囲でやるようにし、職場で変えたいことははっきりと上司にも組織にも申し入れ、自分で働きやすい環境を作るようにしています。加齢のおかげで相手にどう思われるかをあまり気にしないようになってきたので、自分の後に続く若い人達が少しでも楽になるように、私のようなロールモデルもいるよ、という活動を勝手に続けていこうと思っています。津田塾の後輩に背中を見られても恥ずかしくない中年になりたいです。

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