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2024/05/08

ウィスコンシン大学マディソン校人類学部
ウィリアム・F.ヴァイラス教授

英文学科/1957年

2024/05/08 時点

プロフィール

ウィリアム・F.ヴァイラス教授, ウィスコンシン大学マディソン校人類学部
神戸生まれ。甲南小学校、甲南中・高等学校卒。津田塾大学英文学科卒。

2020年 瑞宝中綬章
2014年 La médaille du Collège de France”賞
2011年 “Interview with Leading Thinkers.” ケンブリッジ大学
2010年、2014年 パリ高等研究所
2009年 アメリカ議会図書館クルーギ・センター現代文化特別招聘学者
1990年 マンチェスター大学。Lord Simon 教授
1999年 アメリカ学士院正会員 現在まで
1998年 ロッキーフェラー、ベラジオセンター
1988年 スタンフォード高等行動科学センター
1986年~1987年 プリンストン高等研究所
1985年~1986年 John Simon Guggenheim Fellowship.
1986年 『日本人の病気観 』サントリー学芸賞.
1979年~1980年 国立民族学博物館

招聘教授歴
ハイデルバーグ大、ミシガン大、ハーヴァード大、オックスフォード大

著書 ——19冊、10ヶ語の訳。
2021年 『樺太アイヌ民族誌—北西海岸の生活と世界観』坂口諒訳。青土社
2020年 『人殺しの花: 政治空間における象徴的コミュニケーションの不透明性』岩波書店
2006年 『学徒兵の精神誌』岩波書店 
2003年 『ねじ曲げられた桜:美意識と軍国主義』岩波書店
1995年 『コメの人類学:日本人の自己意識』岩波書店
1995年 『日本文化と猿』平凡社
1985年 『日本人の病気観 』岩波書店


メッセージ

長い人生を顧みて、私はつくづく幸運だったと思う。第一に、小さい時から皆に「勉強好き」といわれていましたが、別に将来のプランなど考えたこともなく、趣味の「勉強」が、一生の「職業」となり、今だに、研究に夢中。生き甲斐のある一生でした。私の両親は、関東大震災の避難民で神戸で築いた再生活が、また、第二次世界大戦、戦後の生活で今では考えられない苦労。その中で、私達が何の怖さも知らずに育ててくださったお蔭で、怖さ知らずに「異国、アメリカ」でも生活してきました。

また、私は「先生」に恵まれており、甲南小学校の5年生の時、キューリー夫人の映画に連れて行ってくださった藤田彰先生に、キューリー夫人のようになりたいと言ったら、「女の子が」と笑わず、翌日から放課後に化学実験を先生とするようにして下さった。甲南女子中・高学校は「良妻賢母」がモットーでしたが、石村巌先生は私の「勉強」をサポート。ちょうど「学徒」の年輩で東大出。「ねじ曲げられた桜」をとても喜んでくださった。津田塾大学は英語を使ってどう日本社会・世界に貢献するかの精神で、先生方一人一人がモデルになり、しかも、学問的には、非常にオープンな雰囲気。生徒は北海道、四国から沖縄までの日本の各地の優秀な方々で、同級生から非常な刺激を得ました。寮でゼミを作り、すぐ近くの一橋大学の若い先生に来ていただき、マルクス主義、その他の論争を楽しみました。

若い方も、「自分」が一番情熱を持つ「仕事」を見つけられて、文化的にも、政治・経済面でも世界諸国をリードし始めた日本のますますの発展に貢献してくださるよう祈っております。

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