- 起
- 結
2020/05/07
吉田 彩子
株式会社蒔いて
代表取締役
国際関係学科/2008年
2019/11/03 時点
プロフィール
国際関係学科2008年3月卒業後、外資系アパレルメーカーに計5年勤務。学生時代の活動での縁をきっかけに、2013年ペルーのアルパカ素材を活用したサステナブルなニットウェアブランドMAITEを起ち上げる。2019年社名を「株式会社蒔いて」に変更。ペルーと日本の産地を行き来しながらものづくりをしている。コミュニティづくりのイベントやワークショップなども行う。ホームページはhttp://maite-jp.com
メッセージ
大学時代は、興味をもったことにはとにかくチャレンジし、「実際に現場に足を運び、自分の目で見ること」の大切さを学ぶ時間を過ごせました。固定観念や、二次、三次情報にとらわれず、自ら生の情報をつかみにいくというスタンスは、就職や起業後も、日々のフットワークと決断する力につながっていると感じます。
在学中に国際協力を通して世界の手仕事に多く触れ、「身近なモノを通して、異文化を知る楽しさと、社会で弱い立場にある人々の声を伝えたい」という想いを抱き、まずはものづくりとビジネスを学びに、外資系のアパレルメーカーに入りました。速いスピードで行われる業務や膨大な仕事量、頭を悩ます対人関係や、泣きたくなるようなプレッシャーなどに押しつぶされずにやっていけたのは、学生時代に多様な人たちと一緒に何かに取り組むことで養った、ちょっとやそっとでは動じない心や、困難な環境下でもそこから何ができるのかポジティブに考える姿勢があったからだと思います。何年後かわからないけれど、その先にどんなことを自分が目指しているのか、漠然とでもイメージがあったことも大きかったと思います。
その後、在学中に関わっていたペルーの女性たちの手編みニット販売支援プロジェクトとのつながりをきっかけに、ペルーのアルパカ素材のニットウェアブランドを起ち上げました。経済格差が根強く残るペルーで、社会的弱者である先住民や女性に、仕事の機会はもちろん、他者とのつながりを創出する産業として、アルパカ繊維産業に可能性を感じています。ビジネスを生み出して成長させていくことは難しく、失敗も困難も多いですが、エネルギッシュな他の起業家との横のつながりや、一緒に取り組む仲間、応援してくれる方たち、そして家族の理解と協力に支えられ、一日一日が充実しています。
これからも、寛容な社会の実現を目指して、一人でも多くの人が、まずは自分を大事にでき、自身を縛っている締め付けから自由になれるようなきっかけの種を蒔いていきたいと思っています。