2024/03/12

株式会社バリューHR
社外取締役

国際関係学科

2024/03/12 時点

プロフィール

東京都新宿区出身。国際関係学科卒業。(帰国子女第1期)早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程修了。 アーサー・アンダーセン、デンマーク大使館商務部を経て、駐日英国大使館国際通商部主席商務官として約30年に亘り、日英企業のビジネス開拓、発展に従事。退職後(現在)は株式会社バリューHRの社外取締役。早稲田大学スポーツビジネス研究所招聘研修員。日本スポーツ産業学会会員。Stirling大学(英国)BAMSAリサーチアソシエイト。趣味のコントラクトブリッジでは、2008年第1回マインドスポーツ世界大会(北京)以降、日本代表を多数経験。2013年アジアパシフィック選手権優勝。2019年世界ブリッジチーム選手権の女性チーム部門のペア成績で日本初の世界1位。2023年のアジア競技大会杭州大会(アジアオリンピック)では混合チームで6位入賞。日本コントラクトブリッジ連盟広報・普及業務執行理事のほか、明治大学と早稲田大学の「コントラクトブリッジで学ぶ数理科学入門」の講師をつとめる。


メッセージ

大学4年の10月。無謀にも就活はNHK1本に絞っていたため、最後で夢破れた時はすでに主な採用活動は終了していました。大学院進学を考えたところ、ゼミの鈴木一郎教授に「貴方は絶対に大学の外の世界が良い。思い切りやって本当に院で勉強したいことが出てきたらその時に学べばよい。」と諭されました。そこで、当時世界でBig Eightと言われた外資系国際会計・コンサルティング企業の門戸を叩き、すでに新卒採用試験が終わっていたところ筆記試験と面接をしていただき無事就職先を確保しました。卒業までの数か月は通産省でアルバイトをしましたが、国会準備や他省庁との連携など役所の役割や、稲盛和夫氏が議長のベンチャービジネス研究会の資料作りやお茶くみなどを通して民間との関わり方などを学ぶことができたことは後に大変役立ったと思います。

「専門能力(人)」が売りもののプロ集団で管理部門の配属は駆け込み入社で事前調査不足とはいえ、当初思いがけない口惜しい経験をすることになりました。それでも、何事も周囲の期待以上を心がけていたのと、英語力が買われたのか、数か月後に日本代表直属のマーケティング専門スタッフ第1号となり、海外オフィスとの連携で立ち上げる一大プロジェクトの担当に加わりました。希望する様々な社内外の研修に参加させていただき、国際組織ならではのダイナミックで予算潤沢なビジネスイベントやマーケティングの企画立案、実施に関わり有意義な経験を積みました。担当したプロジェクトで、年間最優秀マーケティング賞を受賞して出席したアメリカでの授賞式はまるでアカデミー賞のような演出で今でもその時の興奮を覚えています。失意からのスタートではありましたが、ここでの経験がその後の長い社会人生活の基盤を作ってくれました。

その後、パブリックセクターへの転身にあたっては、面接を通して日本のいわゆる「役所仕事」のイメージとは異なることほか様々なことを確認しました。1年半在籍したデンマーク大使館では、コマーシャルアナリストとして本国企業へのアドバイザリーサービス、英文でのマーケット・業界レポートの作成、訪日VIPのプログラム作成と通訳同伴、さらに住宅建設産業の二国間協議会の経験を積み、官民多くの有益なコンタクトを築きました。この短くも濃い経験が、その後30年以上勤務した駐日英国大使館での仕事に大きく影響しています。英国大使館商務部(のち国際通商部)はさらに自由裁量が大きく、担当する分野で、自ら仕事のプロデューサー、そして演出家になることができました。(主席)商務官として、万単位の日英企業と出会い、千単位の日英間のビジネスに関わりました。また、日本人が憧れる英国のライフスタイル、音楽や映画、デザインを通した英国ビジネスの拡大。さらには日本人にイメージのよくない英国の食のイメージアップなど、キャンペーン、プロモーション活動も数多く手がけました。常に好奇心を持ちつつ、真摯に、周囲とのwin-winのためにベストを尽くしていれば道は自然に開け、一緒に歩む人が自然と増え、その繋がりは財産になり、豊かな職業人生に導いてくれるというのが実感です。

英国大使館での最後の担当は、RWC2019とTokyo2020(1)を中心としたスポーツビジネスで、仕事を通して強い関心を持ったスポーツビジネスマネジメントを研究すべく、早稲田大学大学院修士課程に仕事の傍ら挑戦し、優秀論文賞というおまけつきで修了することができました。大学4年時に学生の個性を鋭く見抜き、大きな岐路に立っていた私を正しく導いてくれた恩師に感謝しつつ、「その通りになりましたね」と天に向けてつぶやいています。

完全燃焼で終った英国大使館後は、日本企業の社外役員ほか、これまで公私で行ってきたことから派生した様々な活動を楽しく続けています。令和6年1月から2月にかけては、麻布台の画廊で、友人だった英国人アーティストRabindra Danks(故人)の個展LIFE is a PRESENT(彼の遺作のタイトル)をプロデュースしました。この作品内に書かれた彼のメッセージを最後に共有したいと思います。

LIFE is a PRESENT
The road of Life has many ups & downs, many obstacles + pleasure and pain. But keep on going till you get over the summit then you will reach the road to happiness.

人生は贈りもの。 まさに実感しています。

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