2020/05/07

編集者・ライター

国際関係学科/1984年

2020/04/21 時点

プロフィール

五十川晶子(編集者・ライター)。国際関係学科1984年3月卒業。出版社でビジネス誌の編集に携わるも、歌舞伎好きが高じ一念発起。退職して早稲田大学大学院を受験、歌舞伎を研究し文学修士。現在は年に100本は芝居を観て、歌舞伎や演劇をメインに取材・執筆。著書『はじめての歌舞伎』『歌舞伎ア・ラ・カルト』、『團十郎の歌舞伎案内』(聞き書き)


メッセージ

“インターナショナル”と名のつく学科を卒業したはずが、歌舞伎という超ドメスティックなジャンルを中心に仕事をしています。

元はビジネス誌の編集部におりました。忙しくも楽しい日々でしたが、「どうしても大好きな歌舞伎の本質に近づきたい」という思い止みがたく、出版社を辞めて大学院を受験し大学院生となりました。41歳のときです。

これで思いきり歌舞伎の研究ができる。たしかにそうでした。でも体力も知力も劣化甚だしく、若い学生たちと同じようにはいくわけがありません。大量の芝居番付の束と保育園お迎えセットの入ったリュックを背負って行ったり来たり。仕事も学業も育児も中途半端なままかけずり回っているようで、自己嫌悪の日々でした。2003年ごろ、地下鉄東西線に出没していた吊皮に掴まりながら大きなため息をつく中年女......それは間違いなく私です。それでも修了後は徐々に歌舞伎関連の仕事にシフトすることができ、今はフリーランスの編集者として、年間100本の芝居を観、役者や演出家などにインタビューをし、原稿を書くという日々です。

そしてもう一つ。私の中でずっと眠っていたはずの言葉が、ここのところ徐々に頭をもたげてきています。在学中の様々な局面で出会った「個人の尊厳は地球よりも重い」という言葉です。

ここ数年、世の中は音を立てて、個人の尊厳を軽んじる方向へ崩れていっていると感じます。この徴候は「ファシズムの台頭(の)プロセス」の第一歩だと、卒論でお世話になった故・藤村瞬一先生の授業でも習いました。先生は国際政治学者、そしてナチズム、ヒトラー研究の第一人者でした。私にはこのプロセスがじわじわと進んでいるように見えます。誰もが新型コロナ禍にまき込まれている間に。たしかに今を何とか生き延びなければなりません。また同時に、次の世代に悪影響が及ぶことも避けたいし、「あの時もっとああしておけばよかった」と後悔はしたくない。そんな思いで、今少しずつ仕事の合間にボランティアを始めています。それについては、また機会がありましたら。

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